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 Sansevieria サンセウィエリア

 サンセウィエリアは リュウケツジュ科 の多年草で、サンセウィエリア属 です。
 以前は リュウゼツラン科 チトセラン属 でしたが、新たな分類に変わっています。
 まだ以前の科属のままネットで多く紹介されていますから注意してください。

 日本で昔から栽培されている品種にはフクリンチトセラン(覆輪千歳蘭 学名:Sansevieria trifasciata cv. 'Laurentii')やマルバチトセラン(丸葉千歳蘭 学名:Sansevieria trifasciata cv. 'Hahnii')などがあります。
 昔から姿模様がトラの尾に似るため、トラノオと呼ばれてきました。

 原産地はアフリカ、中近東、南アジアの乾燥熱帯地帯です。
 基本的に茎はなく、地中から葉が立ち上がり、刃先が鋭く尖っている品種が多いのも特徴。
 また花をつけるので、その種からの繁殖も行われています。
 最近は新たな品種が見つかったり、園芸交配も盛んに行われているため、非常に多くの品種が登場しています。
 形がバラエティーに富むのもサンセウィエリアの面白いところです。
 サンセウィエリア人気の高い本場タイ(The Kingdom of Thailand)やインドネシア(Republic of Indonesia)ではコンテストが毎年行われ、その都度新たな品種も登場しています。
 最近は斑入り品種の交配が盛んで、それらを入れるとおよそ700品種ほどあるようです。
 またスーパースター(Super Star)のような斑のみの品種まで登場しています。

 こんなに多くの品種はありますが、日本ではあまり普及していません。
 それはサンセウィエリアは繁殖や成長が遅い品種が多く、また高温を好むため、日本の気候では手間隙はかかっても儲けにならないからです。
 普及しているのは成長が早い品種のみです。
 よって、多くの品種は個人輸入によって日本に入ってきているだけです。

 しかし、マイナスイオンで一気に有名となったサンセウィエリアは、今密かに収集家が増えています。
 私もそうですが、あの想像を超えた形と生命力の強さは育てて初めてわかります。
 乾燥熱帯地帯の植物だということを弁えて育てれば、こんなに簡単で面白い植物は他にないかと思います。


 
About negative ion マイナスイオンについて

 でも1つここでマイナスイオンについて書き足しておきます。
 マイナスイオンは、1999年ごろから2003年にかけて「健康によい」として日本で流行った流行語です。
 マイナスイオンについての統一的な定義はなく、一時的にマイナスイオンについて研究されましたが未実証です。
 また、マイナスイオンは価値や論理としての疑似科学の分野であり、自然科学の用語ではありません。

 サンスウィエリアはマイナスイオンを多く発生するということで有名になりましたが、植物が空気中の分子を電離するほどの高エネルギーを放出するとは考えられないため、植物の放出エネルギーによるイオンの生成は考えらません。
 流行当時、植物のイオン発生について学会で論議となったことがありましたが、水分蒸発時にイオンを発生するようなエネルギーはないと結論づけられました。
 よって、サンセウィエリアがマイナスイオンを発生することはあり得ず、これが結論付けられた以降、商品に対するマイナスイオン効果を掲げることは違法表示商品にあたる可能性があるため、商品説明から削除することが必要です。

 またマイナスイオンが空気清浄すると書かれているHPも多々ありますが、自然界で空気清浄や消臭を行えるのは有機化合物を酸化し無害化する能力を持つオゾンであり、マイナスイオンがその能力を持つのではありません。
 しかし、マイナスイオンは生体への好影響を示すという臨床データがありますから、生体に対して何らかの効果を示すというのは事実です。
 対の、悪影響を及ぼすと言われるプラスイオンは摩擦などで多く発生します。

 こう書くと部屋にサンセベリアや植物を置いても何の効果もないって思われてしまいますから、さらに付け足します。
 確かにサンセウィエリアや植物を部屋に飾っても、マイナスイオンを発する等の効果はありません。
 でも良く考えて下さい。
 部屋の中、家の中にグリーン(緑色)ってあるでしょうか?
 あまり見かけないはずです。
 でもグリーンって人の心を落ち着かせる色だってことは証明されていますし、また家の中ではグリーンってあまりない色で目立ちますし、それだから部屋のアクセントにもなるはずです。
 それが一番植物を育てている人が追っていることだと思います。
 とにかく、部屋に置いただけで気持ちが落ち着いたり和らいだりすれば凄い効果だと思うのですが・・・。
 また室内ではあまり行いませんが、適量の光量があれば一応光合成だってやってますし、酸素も出しています。
 その証拠に、我が家では冬の間、南国の植物を寒さ対策で部屋いっぱいに入れるのですが、 その部屋の入ると森林にいる匂いがあり、空気のすがすがしさを感じます。
 それは植物が好きな人でなくても感じるはずです。

 また、サンセウィエリアは独特の個性があり、またとても硬質のため樹形が変化しません。
 それだから密かにサンセベリアのファンが増えているのだと思います。
 辺りにある植物とは全く違うのも、サンセウィエリアに出会ってすぐファンになる人が多い理由なのかとも思っています。


 Sansevieria International Society 国際サンセウィエリア協会

 日本ではこのようにあまりサンセウィエリアは広まっていませんが、世界的にはちゃんとした協会があります。
 サンセウィエリアに詳しい方はすでにご存知かと思いますが、B. Juan Chahinian氏を代表とする立派な協会です。