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 Corrupt 腐る

 サンセウィエリアに限らず、植物が腐る原因は空気中にいる微生物(菌)です。

 空気中や土中には沢山の菌がいます。
 しかし、菌だけでは何も変化しませんが、菌は酵素を持っています。
 そして酵素は水の中では動くことができます。

 とたえば葉にキズがあると、菌はそこから侵入し、そしてその水分に含まれる栄養分で増殖します。
 増殖した菌はさらに栄養分を奪い、そしてその部分の栄養分がなくなって水だけになり、最終的に葉の細胞が死にます。
 これが腐りです。

 しかし、全ての植物が腐るわけではありません。
 健全な植物は菌が入ってきて増殖を始めると自己防衛に転じます。
 それは腐って水だけの部分の広がりを防ぐ壁を作り、そして菌を閉じ込めます。
 そして、その腐った部分が乾燥するのを待ちます。
 乾燥するとその部分が白くなるのは自己防衛した跡なのです。

 また土中の根が腐るのも同じです。
 土中がいつも湿ったままの状態ですと、根が酸素不足になり、結果根が働けなくなって結果菌の侵入を許してしまいます。
 根腐れの原因の殆どが多湿によるものですから、菌にとっても好都合のため、根腐れした場合の進行は早く、植物の自己防衛も殆ど役立ちません。

 そして、もう1つの腐りが寒さによる細胞の死滅です。
 特にサンセウィエリアは寒さに弱く、たとえ15℃あっても細胞が死滅する場合があります。
 それは風による部分的な冷えで、人でも風が強いといっそう寒く感じるというのと同じです。
 特に木枯らしが吹き始める頃や、春一番の後、寒さの戻りの時期には注意が必要です。

 
寒さで腐った部分(その後部分枯れ)



 
Die 枯れる

 枯れるとは上でも述べましたが、葉が自己防衛して白くなったり、寿命で栄養分を全て抜いて細胞を死滅させたりすることを枯れると言います。
 葉の場合、専門的に言うと、細胞が生きている間クロロフィルが存在するため葉が緑色なのですが、枯れるとクロロフィルが分解されてしまうので、緑色ではなってしまうのです。
 また葉が枯れた後の色ですが、これは元々葉が含んでいたタンニンなどの色が酸化して残るため、その酸化色となります。
 それらは植物によって違いがあるため、枯葉の色も植物によって違うのです。