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Manure and Mineral 肥料とミネラル
皆さんも経験があるかと思いますが、鉢植えしていた弱々しい植物を地植えしたら、急に元気になって大きくなったこと。
この理由は根が十分張れる、日射量が十分与えられる、土壌が改善される等いろいろあるかとは思いますが、私が注目したのはミネラルです。
ミネラルは人も同じように必要不可欠なものであり、その不足によって色々な障害が出ることは既知なことだと思います。
しかし、ミネラルについていったいどれほどの量が必要なのか、人に対してもあまり詳しく書かれていません。
よく書かれているのは、「不足すると・・・」であり、不足する量とはどれほどか書かれていないのが事実です。
人に対してもこのようですから、植物に対してはもっとはっきりしていません。
ですから、同じように「不足すると・・・」と書かれているだけです。
そこでミネラルですが、私は地植えと鉢植えでは明らかにミネラル量が違うと思っていて、いくら肥料や土壌改善を行っても、鉢土に含まれるミネラルは地土にはかなわないし、また鉢土の場合、肥料などから出るミネラルでは補えきれないミネラルも相当あると考えています。
それで実際にサンセウィエリアなどの多肉植物が自生する地域の水を解析して、いったい何が含まれ、サンセウィエリアはいったい何を吸収してあの姿を維持しているのか、の考えから現地水の解析を行ったわけです。
某国 多肉植物が自生する地域の地下水含有陰イオン分析データ
カルシウム |
炭素 |
ナトリウム |
窒素 |
鉄 |
マンガン |
タングステン |
カリウム |
ガリウム |
スタンジウム |
リン |
セシウム |
リチウム |
チタン |
銅 |
銀 |
金 |
アルムニウム |
イリジウム |
白金 |
ニッケル |
水素 |
フッ素 |
臭素 |
ホウ素 |
ヨウ素 |
亜鉛 |
酸素 |
ケイ素 |
塩素 |
硫黄 |
マグネシウム |
モリブデン |
アンチモン |
セレン |
ゲルマニウム |
コバルト |
トリウム |
クロム |
ルテニウム |
パナジウム |
パラジウム |
バリウム |
ジルコニウム |
エルビウム |
インジウム |
ネオジム |
ロジウム |
ビスマス |
ルテチウム |
ユウロビウム |
ルビジウム |
セリウム |
タリウム |
テルル |
ベリリウム |
タンタル |
ガドリニウム |
ランタン |
ホルニウム |
ツリウム |
オスミウム |
レニウム |
サマリウム |
ニオプ |
ストロンチウム |
プラセオジム |
イッテルビウム |
テルビウム |
ハフニウム |
注)70種類を越す主な陰イオンを公開しますが、含有量は重要な資料であり、某国の環境規制もあるため、含有量、含有率については公開しません。
サンセウィエリアはこの栄養とミネラルを吸収してあの容姿を形成していますが、その他の要素の乾燥高温や昼夜の気温差、四季のない環境をこの日本で再現することは大半無理です。
ですから、このミネラルを再現するにあたっては原液を作り、それを季節や気温、気候に合わせて薄めて使用するということにしました。
ミネラルの再現には親戚が勤める某研究所で作りましたが、少量ではかなり困難であり、また温度の影響あるとのことでした。
ミネラルは化学反応をする物質は一切ありませんので、規制の対象にはなりませんが、念のため「植物に対する研究用サンプル」としてあり、私用のみです。
勿論現地の水と同じですから飲めます。
でも現地ではタダですが、サンプルはかなり高価です。
またいろいろ考えていくうちに、環境温度の日本と某国との違いは2乗に比例するのではないかと考え、肥料の3大要素はデータの9割減とし、窒素・リン・カリウムは季節に合わせて調整することとしました。
また、某大学の研究結果により、糖が根の生育を倍にするということが発表されていましたので、果糖を加えた液でも試しました。(結果は変化ありませんでした)
Result 結果
家の内外にかかわらず、水遣りのたびこのミネラル含有水を生育期に与えました。
全てのサンセウィエリアに与え続けましたが、1つとして問題が発生した品種はありません。
しかし、ただでさえ水の硬度が違いますし、サンセウィエリア用のミネラル含有水ですから他の植物には向きません。
実験として数種類の観葉植物と日本古来の針葉樹と落葉樹に与えてみました。
観葉植物は一旦葉艶が良くなったと思ったら徐々に葉が葉元から落ち始めました。
日本古来の針葉樹は鉢植えがなかったため地植えで試してみましたが、成長が止まります。(根腐れ?)
日本古来の落葉樹は数日で一気に葉が落ちます。
多肉植物はあまり持ち合わせがないのですが、数種類試して生き残ったのはアロエ系だけでした。
その後、サンセウィエリアの成長具合に大きな差があることがわかりました。
これは、サンセウィエリアにもその生育地が数多くあり、その地域によって水質が全く違うため、全てに適した共通のミネラル含有水を作ることは困難ということです。
よって、調べられる限り、生育地のデータを集め、4種類のミネラル含有水を作れば許容範囲で大丈夫そうと判明したため、現在は4種類に分けて与えています。
この水遣りにての感想ですが、大きさは全く変わらないものの、葉の厚みが倍になるものや、仔株なのに仔株を2つ生むのもあったり、それは驚きです。
また成長も早くなります。
左上に伸びた葉がミネラルウォーターの水遣り後
葉の厚みが2倍になっているのがわかります
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