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 Photosynthesis 光合成

 光合成とは簡単明瞭に言うなら、植物が水と光と二酸化炭素から、酸素を排出して糖分を合成することです。
 光合成を行なう生物は植物が身近ですが、緑藻類や褐藻類、紅藻類といった海藻や、細菌の藍藻や紅色光合成細菌なども光合成を行なっています。

 ここで、酸素を排出する段階までを「光化学反応」と言い、「光化学反応」は光エネルギーからNADPHとATPを合成 する過程で、糖分の合成の段階を「カルビン回路」と言って、「カルビン回路」は NADPHとATPを使って二酸化炭素と水から糖とデンプンを合成する過程です。
 高校の教科書ではこの糖をブドウ糖と書いてあった気がしますが、糖は三単糖リン酸や六単糖リン酸のショ糖でブドウ糖ではありません。

 NADPH : ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸
 ATP    : アデノシン三リン酸

 ここで知っておきたいことは必要な光量と二酸化炭素量で、水については水遣りで調整が可能であるため、「水遣り」の項で述べることにします。 


 
Light quantity 光量

 まず最初に、サンセウィエリアはC4型植物で、通常の植物の最大日射量の約1万lxに対し、高温・乾燥地帯植物のサンセウィエリアはこの上限がもっと上にある植物です。

 サンセウィエリアの必要光量と言っても、サンセウィエリアの種類も多々あり、それらは葉の厚みや葉の光吸収量も違うため、一概には言えません。
 よってここでは光量の適正範囲と最大量について述べることにします。
 まずサンセウィエリアを一般的に調べると、「日焼けを起こさない程度に日に当てる」とあります。
 随分いい加減な表現ですが、要するに「日に当てなさい」ということですが、では四季のある日本ではいつの時期のことを言っているのでしょうか?
 そこで目に付くのが「日焼けを起こさない」とあります。
 では日焼けを起こさない条件とは何でしょう。

 それで1年間の日照量を計測して、以下に纏めてみました。
 ただし、室内に取り込む10月から3月までは除きます。

直射
   最大日射量: 87000lx (入梅前の6月)
   最小日射量:  7200lx (濃曇天)
   平均日射量: 26800lx (4月中旬から9月まで全天候時の9AM〜4PM平均)

 この間、サンセウィエリアのタイプが違う数種類を直射に当てたままとしましたが、8月中旬以降に葉色が退色するといった現象が見られました。
 それに気付いて直ぐ避難しましたので、それ以降進んでいませんが、これは外気温が36℃で無風、日射量71000lxという条件から起こりました。

参考
 ベランダ日射量: 8700lx (晴天時日陰・最大)
     窓際日射量: 3600lx(反射光・最大)
 
 よく、真夏日には10万lxを越すと書かれていますが、測定データが1時間毎でもあり、また真っ青な空というのがなかったので、結果的に10万lxはありませんでした。

 以上の測定でしたが、全てのデータはとても書けません。
 このまま纏めてしまうのも解り難いとは思いますが、全てのデータから考察できるのはまず梅雨前後が一番日射が強いということです。
 恐らくこの時期、郊外などの地域では10万lxを超えるのは間違いないと思います。
 また8月以降は日射量が10万lxまで達しないとは思いますが、気温が高い上に風が弱いので、直射には気をつける必要があると思われます。
 蒸れて焼けてきます。
 以上の時期は安全を考えるなら、多少の遮光をした方が良いと思われます。

 また最低光量については斑入り種の斑が蔭る限度で実験してみたところ、2万lx以下では徐々に陰りが出てきたため、問題の発生しない3万lx以上が必要と思われます。
 ただ、サンセウィエリアは耐陰性もあり、電灯下でも育つので、最低光量については特に述べないこととします。
 しかし、健全に育てるには退色しない〜日焼けしないlx間が適度な日射量ではないかと思われますので、3万lx〜6万lxと結論付けました。


 
Quantity of carbon dioxide 二酸化炭素量

 今や世の中、二酸化炭素削減で躍起になっています。
 要するに1970年頃の大気中の二酸化炭素量が325ppmだったのに対し、現在では380ppmまで上昇しています。
 何故問題になるかと言うのは二酸化炭素が地球の温度を左右するからで、過去400年間で1.2℃上昇した温度は、この先50年で上がってしまうというからなのです。
 しかし、地球規模から言えば変化がないと同じくらいなのです。
 事実過去5000年間にはヨーロッパで気温が4℃高かった時期があり、象やライオンが住んでいた跡も見つかっています。

 地球の温度は二酸化炭素が全て水に溶け込めば地表は−50℃になると計算されています。
 また火山活動が最も活発だった時期の二酸化炭素濃度は現在の800倍だったこともわかっています。
 要するに地球大半の氷が溶けることだって特別なことではないし、太平洋が全て凍ることも特別ではないのです。
 それらは人類が生み出すことよりずっと大きな変化が地球では起こるので、それに人類が対処できないと人類は生き残らないということです。
 ですから国が海に沈んでしまうと言うことを問題にするより、いかに沈まないように対処するかを考えるべきと思いますが・・・・・。

 ところで実際に植物が必要とする二酸化炭素量ってどのくらいなのでしょうか。
 これらは既に実験で得られていて、C4植物の吸収飽和二酸化炭素量は約1200ppmです。
 これは植物が初めて地球上に現れた頃と同じ二酸化炭素量ですから、植物が生まれた時に二酸化炭素量に合わせて体を形成したのではないかとも考えられますね。
 ですから今の二酸化炭素量はそれにはかなり遠く、二酸化炭素量が増えればそれと比例して光合成も活発になり、酸素も多く作り出すわけです。

 もし光合成をもっと活発化されたい方がいましたら、二酸化炭素を3倍くらい供給してあげるといいでしょう。


 
Other その他

 光合成を促進するには他にも要素があります。
 それは風です。
 何故かと言うと、光合成で発生する酸素は光合成の促進を妨害します。
 よって光合成を行う植物は早く酸素を移動させたいわけです。
 それには風を当てることが必要で、風によって酸素を追いやり、そして新たな二酸化炭素を持ってくることが必要となるわけです。

 ただ風が強ければいいということではありません。
 これにも最適な風というのがあり、0.5m/sの風がベストという某研究機関のデータがあります。
 つまり爽やかで優しい風ですね。