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 Absorption of the water 水分の吸収

 根の役割とは。
 ひとつは地上部を支えることです。
 その原理原則は根と地上部のバランスです。

 もうひとつは養水分を吸収することです。


 
Do water 水遣り

 植物は根から水分を吸収するのですが、 実は葉が水分を枝先まで吸い上げているわけで、 根だけではほとんど水分を吸う力はありません。

 光合成が始まると、葉がポンプの役目をして枝先まで水を運び、根から地中の水分を吸い上げているわけです。

 また、根の全ての部分が水を吸収するわけではありません。
 実は根の一番細い新しい細根の先端部分が吸収するのであって、他は殆ど水を吸収しないのです。
 特にサンセウィエリアは長くそして深い根があります。
 上部は太根で殆ど細根はないため、土の表面が湿る程度の水遣りでは、水を吸う細根には水がない状態となってしまいます。
 ですから、サンセウィエリアの場合は特に鉢底から十分水が出るまでの水遣りが必要となります。

 また、根が有効に働くには光合成で得られたデンプンをエネルギーに変える酸素が必要です。
 中でも最も酸素を要求するのは、よく働く細根です。
 その酸素は水遣りによって補給されますので、十分な水遣りが必要ということになります。
 また、効率よく酸素を根から吸収するためには、水捌けの良い用土が必要です。

 水遣りの方法はこれで理解されたと思いますが、水遣りの間隔については簡単には述べられません。
 なぜなら、
 サンセウィエリアがどれだけ水を吸い上げるのか。
 株自体が大きいのか。
 鉢はサンセウィエリアの品種に対して大きいのか小さいのか、あるいは適度の大きさなのか。
 また鉢は深いのか、浅いのか。
 用土の保湿能力はどれほどなのか。
 また天候はどうなのか。
 気温は高いのか。
 風が当たる場所なのか。
 湿度はどれほどなのか。
 と言った環境が大きく左右するからなのです。

 では通常どのような水遣りを行ったらいいかと言いますと、まず気温が最低15℃をキープできるという条件のもとで、鉢土が1日で完全に白く乾くなら乾いてから1日空けて、一週間で乾くなら乾いてから一週間空けてが最短の水遣り間隔と頭に叩き込んでください。
 ここで15℃という温度が出てきましたが、これはサンセウィエリアが成長するか否かの境目の温度で、種類によって多少の温度差はありますが、15℃を目安にすれば失敗はほぼ免れます。

 これはあくまでも素質のわからないサンセウィエリアを含めた全てを総称してですが、要するに15℃以下の環境に置かれるなら水は与えるなということです。
 よく、冬場だから水遣りはこう!とか書かれていますが、冬場や春秋は関係ありません。
 あくまでも鉢の乾き具合と環境です。
 これは一般家庭における安全策ですが、今まで冬を越したことがない!との質問を得ましたので、もう少し詳細に書き下ろします。
 
冬を越せない主原因はやはり温度なのですが、温度以外にも原因と思われる節があり、それは何かと言うと日光です。
 我が家の冬場は観葉植物で一杯になるため、一番寒い3階にも置き場所を設置しています。
 3階は寒い時は7℃を切ることもあり、人も暖房なしではコートが必要です。
 しかし、私はこの場所にも比較的寒さに強いと思われるサンセウィエリアを置いています。
 でも今までに寒さで葉が傷んだり、腐ったことはなく、無事冬を乗り切っています。
 それは何故かと言うと、午後から当たる日光で、日光が寒さで冷え込んだ身体を温めているからだと思っています。
 これは、よく温室を持つ植物園では夜間10℃をキープしているということで、その中には育てているサンセウィエリアも含まれているのですが、15℃以下でも育てられるのは温室には日光が注ぎ込むことが要因だと考察したからです。
 また実験として、最低気温が10℃を切る環境で、昼間でも暗い場所に置いた比較的寒さに強いサンセウィエリアの半分は腐りました。
 ですから、日光は冬場においても重要な要素と言うことですね。
 雪の降る地域ではあまり晴れた日は期待できないと思いますが、弱い光でも当てないとは段違いですから、日光がないと諦めないでください。
 ただし、窓際は冷えますから、あまり窓に近づけない方がいいでしょう。
 
 我家の最適環境(冬場でも最低18℃キープ:床暖房+日光が当たる部屋)に置いたサンセウィエリアのみおよそ25日ごとに水遣りしていますし、冬でも成長しています。