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 First はじめに

 まだサンセウィエリアについてこれほど興味を持たなかった頃は生育の研究など思いもつかなかったのですが、やはりお金をかけてこれだけ多くの品種を集めると、実際に育つサンセウィエリアに近いところまで育ててみたいと思うようになってきました。

 それでまず始めたのが現地の取材です。
 取材と言っても現地でも流石にサンセウィエリアを知っている人は誰もいません。
 それで、サンセウィエリアが自生すると思われる某国へ仕事で行った際に、写真を見せて、このような多肉植物があるところへ案内して欲しいとお願いし、実際にその場へ行ってきました。
 言葉で書くと意図も簡単に現地へ行ったようですが、実際は休日返上で車をチャーターして行き帰りで20時間以上もかかりました。
 しかし、苦労の甲斐があって、実際に現地では貴重な資料を得ることができました。
 それらについては「用土」や「肥料 ミネラル」で詳しく書きますが、一応基本的な生育のための資料をある程度得られたことが最大の成果でした。

 とは言っても限られた時間内では実際のサンセウィエリアには会えなかったのです。
 ただ現地の方によれば、行ったその場所のどこかにそのようなものが存在するということだけ得られました。
 その場で会えたのは名前のわからない(勉強不足)多肉植物でしたが、現地は本当に丈夫そうな草とわずかな木が茂るだけの場所でした。
 そんな現地で得られたのは土と水だけでしたが、土は見てみればある程度土と砂の混じり具合はわかります。
 問題は水でした。


 Solution 問題解決

 これらの植物に供給される水は現地のおおよその地図から、その中腹より見える山から供給されていると確信しました。
 ただ、川という存在がないため、通常考えられる地下流によって水が運ばれていると予想しました。
 その考えはすぐ正しかったと判明します。
 それは、現地裾野に住む集落では井戸を掘り、そこを水の補給源としていたのです。
 井戸の深さはおよそ4mほど。
 もっと深いものだと思っていただけにそれは意外でした。

 そこで水は手に入れたものの国外に持ち出せないため、肝心な分析をどうするかで一苦労しましたが、最終的には某国出先機関の協力も経て詳細なデータを入手できました。
 本来なら相当額のお金がかかったと思うのですが、その辺も間に入った方のおかげでとても安く済んだのはラッキーでした。